育児休業給付金の手取り計算|67%でも手取り8割になる理由と月給別早見表

「育休中は給料の67%」と聞いて、「3分の1も減ったら生活できない」と青ざめていませんか。私も最初はそうでした。でも実際に計算してみると、67%という数字の印象より手取りはずっと減りません。カラクリは「非課税」と「社会保険料免除」です。

この記事では、計算式を一度だけ丁寧に追いかけたあと、月給別の早見表で「自分の場合」がすぐ分かるようにしました。2025年4月に始まった「実質手取り10割」の新制度の条件も解説します。

計算式:67%と50%の基本ルール

育児休業給付金は雇用保険から支給され、計算式は次のとおりです。

支給額(月)= 休業開始時賃金日額 × 支給日数(原則30日)× 給付率(180日まで67%、181日目以降50%)

「休業開始時賃金日額」は、育休前6ヶ月の賃金(ボーナス除く・残業代込み)÷180で計算します。つまり直前まで残業が多かった人はその分給付も増えます。給付額には上限・下限があり、上限額は毎年8月に改定されます(厚労省リーフレット(PDF))。おおむね月給45万円前後で上限に達するため、それ以上の高収入の人は「67%」より実際の給付率は下がる点に注意してください。

67%なのに手取り8割になる理由

ここが本記事で一番伝えたいところです。給付率67%を「額面の67%」と読むと悲観しすぎになります。

普段の給料は額面から税金・社会保険料で2割前後引かれています。給付金はここが引かれないので、「額面の67%」は「手取りの8割前後」に相当します。これが「67%でも意外と暮らせる」と言われる理由です。

月給別・手取り早見表

額面月給(残業込み・ボーナス除く)ごとの給付額の概算です。※上限・下限、個人の控除状況で変わる目安値です。

額面月給普段の手取り(概算)給付月額:最初の180日(67%)181日目以降(50%)
20万円約16万円約13.4万円(手取り比 約84%)約10万円
25万円約20万円約16.8万円(約84%)約12.5万円
30万円約23.5万円約20.1万円(約85%)約15万円
35万円約27万円約23.5万円(約87%)約17.5万円
40万円約31万円約26.8万円(約86%)約20万円
45万円以上上限額に到達(それ以上は増えない)上限あり

正確な上限額・自分の賃金日額は、勤務先の人事またはハローワークで確認できます。会社員でない人(自営業・フリーランス)は雇用保険に入っていないため対象外です——ここは制度の大きな断絶点で、働き方によって出産時の保障が大きく違います。

実質10割になる「出生後休業支援給付金」の条件

2025年4月に創設された上乗せ制度です(厚労省資料)。

80%が非課税・社会保険料免除で支給されるため、実質手取り10割相当と説明されています。「パパが28日だけ育休を取る」場合、このモデルなら家計へのダメージはほぼゼロです。取得を迷っている夫婦は、まずこの28日をデフォルトとして検討するのがおすすめです。夫婦での取り方の全体像はもらえるお金の総まとめのモデルケースも参考にしてください。

見落としがちな注意点4つ

1. 初回入金は2〜4ヶ月後

給付金は2ヶ月分をまとめて事後申請する仕組みのため、初回入金は育休開始から2〜4ヶ月後が普通です。産後数ヶ月分の生活費は現金で確保しておいてください。ここが育休家計の最大の落とし穴です。

2. 育休中に働くと減額されることがある

月10日(または80時間)を超えて就労すると支給されません。一時的・臨時の就労の扱いは細かいルールがあるため、勤務先経由で確認を。

3. ボーナスは給付の計算に入らない

賃金日額はボーナスを除いて計算されます。年収ベースでボーナス比率が高い人は、「67%」の印象よりも年収減を大きく感じることになります。

4. 2歳まで延長できるが条件がある

保育園に入れない場合などは1歳6ヶ月→2歳まで延長できます(給付率は50%)。延長には不承諾通知などの証明が必要で、審査は年々厳格化しています。

よくある質問

Q. 給料の何%もらえますか?

A. 180日まで67%、181日目以降50%です。非課税+社会保険料免除のため、67%の期間の手取りは普段の8割前後になります。

Q. 手取り10割になるのはどんな場合?

A. 出生後8週間以内に夫婦とも14日以上の育休を取るなど、出生後休業支援給付金の条件を満たした場合、最大28日間が実質手取り10割相当になります。

Q. いつ振り込まれますか?

A. 初回は育休開始の2〜4ヶ月後が一般的です。それまでの生活費は事前に準備しておきましょう。

まとめ

育休給付は「67%」の字面より実態はずっと手厚く、非課税・社会保険料免除まで含めた手取りベースで考えるのが正解です。一方で、入金の遅れ・ボーナス非算入・上限額という3つの現実は事前に織り込む必要があります。

収入の全体像が見えたら、次は児童手当などの「入ってくるお金」の申請漏れ防止(→もらえるお金 総まとめ)と、教育費の準備方法の検討(→学資保険とNISAどっち?)に進んでください。