学資保険はいらない?NISAとどっち?|後悔しない教育費の置き場所の考え方
出産すると、親や親戚から高確率で言われるのが「学資保険は入ったの?」。一方でSNSを開けば「学資保険はオワコン、NISA一択」の大合唱。両方とも半分正しくて半分雑、というのがこの記事の立場です。
教育費の置き場所は「どちらが優れているか」ではなく「わが家は何を優先するか」で決まります。判断に必要な材料——学資保険の返戻率の実情、NISAのリスクの正体、児童手当の活かし方——を順番に整理します。
前提:教育費はいつ・いくら必要か
教育費のヤマは大学です。文部科学省などの調査では、国公立大学でも4年間で250万円前後、私立文系で400万円前後、私立理系ではそれ以上が目安と言われます(入学金・授業料ベース。下宿ならさらに生活費)。つまり「子が18歳になる年に、まとまった額が確実に要る」——これが教育費準備の特殊性です。日常の保育料や習い事は月々の家計から、大学費用は長期の積立で、と分けて考えます。
学資保険の実情:増える力は弱いが、固有の価値が2つある
学資保険は「毎月保険料を払い、進学時期に祝い金・満期金を受け取る」貯蓄型保険です。まず数字の現実から。現在の学資保険の返戻率(払った額に対して戻る額)は、高い商品でも105〜110%前後と言われます。18年かけて数%しか増えない、と聞くと見劣りしますよね。途中解約すると元本割れする商品が大半、インフレで実質価値が目減りするリスクもあります。
それでも学資保険には、預金にもNISAにもない価値が2つあります。
- 払込免除の保障:契約者(親)が死亡・高度障害になった場合、以後の保険料を払わずに満期金が満額受け取れます。「自分に何かあっても大学資金だけは確保される」という機能は保険にしかありません
- 強制力:口座から自動で引かれ、途中で崩しにくい。貯金が苦手な家庭では、この「崩しにくさ」がメリットとして働きます
NISAの実情:増える可能性と「時期が選べない」リスク
NISA(少額投資非課税制度)で投資信託を毎月積み立てる方法は、長期の世界株式インデックスの過去実績から「学資保険より増える可能性が高い」と紹介されることが多い選択肢です。運用益が非課税で、いつでも引き出せる柔軟性もあります。
ただし教育費に使う場合に特有のリスクがあります。「使う時期を選べない」ことです。大学入学の年に暴落が来ても、入学金の支払いは待ってくれません。一般的に言われる対策は次の2つです。
- 入学の数年前から段階的に現金化していく(直前まで全額を株式で持たない)
- 教育費の「最低限必要な部分」は投資に回さず、上振れを狙う部分だけ投資する
また、NISAには学資保険のような払込免除保障はありません。保障が必要なら掛け捨ての生命保険を別途組み合わせるのが一般的な考え方です。
比較表と使い分けの考え方
| 項目 | 学資保険 | NISA(積立投資) | 預金 |
|---|---|---|---|
| 増える力 | △(返戻率105〜110%前後) | ○(ただし変動・元本保証なし) | ×(ほぼ増えない) |
| 元本の確実性 | ○(満期まで持てば) | ×(相場次第) | ◎ |
| 親の万一への保障 | ◎(払込免除) | × | × |
| 途中で使える柔軟性 | ×(中途解約は元本割れ) | ◎ | ◎ |
| 強制力(貯まりやすさ) | ◎ | ○(自動積立) | △ |
| インフレ耐性 | × | ○ | × |
この表から分かるとおり、すべてに優れた選択肢は存在しません。「学資保険いらない派」は増える力とインフレ耐性を、「学資保険必要派」は確実性と保障を重視しているだけで、どちらも自分の優先順位を語っているにすぎません。
児童手当234万円をどう振り分けるか
児童手当は第1子で総額約234万円。これを生活費に溶かさず教育費に回せるかが、実は商品選び以上に結果を左右します。実務的によく紹介される「二階建て」の振り分けはこうです。
1階(必ず要る分)= 児童手当の一部を預金 or 学資保険で確実に確保
2階(上振れ狙い)= 残りをNISAで長期積立し、入学の数年前から段階的に現金化
割合は家計の余力とリスク許容度次第で、ここに万能の正解はありません。「わが家の場合」の答えは、収入・支出・住宅ローン・親の保険まで含めた家計全体を見ないと出せない——これが正直なところです。
個別の判断に迷ったら、家計全体を無料で相談できるFP(ファイナンシャルプランナー)相談を使う手があります。保険の加入・見直しを前提にせず、相談だけで終えても費用はかかりません。
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よくある質問
Q. 学資保険は本当にいらないのですか?
A. 全員に不要ではありません。返戻率は105〜110%前後と増える力は弱いものの、払込免除の保障と強制力には固有の価値があります。何を優先するかで答えが変わります。
Q. NISAで教育費を準備するリスクは?
A. 大学入学のタイミングで相場が下落している可能性です。入学数年前からの段階的な現金化、全額を投資に回さない、が一般的な対策です。
Q. 結局どう決めれば?
A. 「必ず要る最低額は確実な手段、上振れ分はNISA」の二階建てが実務的な整理です。個別の配分は家計次第なので、FP相談などで家計全体を見てもらうのも有効です。
まとめ:迷ったら「二階建て」で
学資保険vsNISAは宗教論争になりがちですが、実態は「確実性・保障」と「増える力・柔軟性」のトレードオフです。迷ったら、最低限を確実な手段で固めてから、余力をNISAに回す二階建てから考え始めてください。そして商品選びの前に、もらえるお金の申請漏れゼロと育休中の収入の把握を先に済ませるのが順番です。