子どもが生まれたら生命保険はどうする?必要保障額の考え方と掛け捨てvs貯蓄型

出産は、人生で生命保険を見直すべき最大のタイミングです。守るべき家族が増え、しかもその子が独立するまで20年前後の「保障が必要な期間」が始まるからです。一方で、勧められるまま入ると月数万円の固定費が20年続くのも保険の怖さ。児童手当や育休給付で入ってくるお金を、そのまま過剰な保険料で流出させては本末転倒です。

この記事では、必要保障額の考え方(公的保障を先に引く)、掛け捨てと貯蓄型の使い分け、共働き夫婦の保障設計、そして無料保険相談を安全に使うコツまで、順番に整理します。

先に公的保障を引く:必要保障額の考え方

保険選びで最初にやるべきは商品比較ではなく、「そもそもいくらの保障が必要か」の見積もりです。式はシンプルです。

必要保障額 = 遺された家族の支出(生活費+教育費+住居費) − 入ってくるお金(遺族年金+配偶者の収入+貯蓄+会社の保障)

大事なのは引き算の側です。日本は公的保障が厚く、遺族年金・児童手当・(会社員なら)勤務先の死亡退職金や団体保険がすでにあります。住宅ローンを組んでいる場合、団体信用生命保険でローン残債が消えるのも大きい。これらを引いた「本当の不足分」だけを民間保険で埋めるのが正しい順番で、ここを飛ばすと保障の二重買いになります。

教育費の側は、進路によって1人あたり約800万円〜2,200万円と幅があります(文部科学省の調査ベース)。児童手当の総額約234万円を教育費の原資として固定するだけでも、必要保障額はかなり圧縮できます。児童手当の金額と受け取り方は児童手当の完全ガイドを参照してください。

意外と大きい遺族年金:いくらもらえるか

会社員・公務員が亡くなった場合、遺された配偶者と子には遺族基礎年金+遺族厚生年金が支給されます(日本年金機構:遺族年金)。

制度対象金額の目安(年額)
遺族基礎年金子のある配偶者(子が18歳の年度末まで)約83万円+子の加算(第1子・第2子 各約24万円)
遺族厚生年金会社員・公務員の遺族亡くなった人の報酬に応じて(老齢厚生年金の約3/4)

子が1人の会社員世帯なら、合計で年130〜150万円前後(月11〜12万円程度)になるケースが多いとされています。「月12万円が子どもの高校卒業まで続く」と考えると、民間保険で用意すべき額の感覚がだいぶ変わるはずです。※金額は年度改定されるので、正確には年金機構のサイトやねんきん定期便で確認してください。自営業(国民年金のみ)の場合は遺族厚生年金がないぶん、必要保障額は大きくなります。

掛け捨てvs貯蓄型:保障と貯蓄は分けて考える

不足分を埋める商品は、大きく掛け捨て型と貯蓄型に分かれます。

項目収入保障保険(掛け捨て)定期保険(掛け捨て)終身保険(貯蓄型)
保障の形万一の時から毎月○万円を満期まで期間内の死亡で一括○千万円一生涯の死亡保障+解約返戻金
保険料の目安安い(月2〜5千円程度から)安い高い(同じ保障額なら数倍)
合理性子の成長とともに必要保障額が減るのと形が一致教育費のピークに厚く備えたい人向け保障としては割高。相続対策など目的が別

子育て世帯の死亡保障として一番形が合っているのは収入保障保険です。子どもが小さいうちは受取総額が大きく、成長とともに自動的に減っていく——必要保障額の変化とぴったり重なるので、保険料に無駄がありません。

「掛け捨てはもったいない」という感覚には、こう答えます。貯蓄型の実態は「割高な保障+利回りの低い積立」のセット商品で、途中解約すると元本割れしやすい縛りもあります。保障は掛け捨てで安く買い、浮いた差額はNISAで育てる——分けたほうが柔軟で、期待リターンも高い。この考え方は学資保険はいらない?NISAとどっち?で書いた結論とまったく同じ構造です。

共働きなら「夫婦それぞれ」に保障を

見落とされがちなのがここです。共働き家計は2人の収入が揃って初めて回る設計になっていることが多く、どちらが欠けても住宅費や教育計画が崩れます。「稼ぎ頭だけ保険に入る」は片肺飛行です。

医療保険はどうする?

死亡保障と混同されがちですが、医療費については日本は高額療養費制度があり、月の自己負担には上限があります(厚生労働省:高額療養費制度)。貯蓄が数十万円あれば入院の自己負担は吸収できることが多く、優先度は死亡保障より下というのが本サイトの立場です。付けるとしても、先に死亡保障を固めてから、差額ベッド代や収入減が心配な範囲で最小限に。なお出産関連では、帝王切開などが医療保険の給付対象になることがあるため、次の妊娠の予定があるなら見直しのタイミングには注意してください(妊娠中は加入・変更に条件が付く商品があります)。

無料保険相談を安全に使う3つのルール

ここまでの考え方を踏まえても、商品の比較・夫婦それぞれの保険料見積もり・遺族年金の個別試算を自力で全部やるのは大変です。そこで無料の保険相談サービスが選択肢になりますが、仕組みの理解が先です。無料相談は、契約が成立すると保険会社から手数料を受け取るモデルで運営されています。つまり、手数料の高い商品(=たいてい貯蓄型)を勧める動機が構造的に存在します。

その上で、次の3つのルールを守れば、無料相談は「複数社の商品を一度に比較できる便利な場」として機能します。

必要保障額の考え方さえ持っていれば、無料相談は複数社をまとめて比較できる時短ツールになります。夫婦それぞれの見積もりを一度に取ってみてください

保険の無料相談で見積もりを比較する

※リンク先は広告です。相談は無料で、その場で契約する必要はありません。

よくある質問

Q. 子どもが生まれたら生命保険は必須ですか?

A. 遺族年金と貯蓄で家族の生活費・教育費を賄えるかで決まります。多くの子育て世帯では不足が出るため、不足分を掛け捨ての死亡保障で埋めるのが基本形です。

Q. 掛け捨てはもったいなくないですか?

A. 掛け捨ては保障を安く買うための合理的な仕組みです。同じ保障額なら貯蓄型より大幅に安く、差額をNISAで運用するほうが柔軟です。保障と貯蓄は分けて考えましょう。

Q. 専業主婦(主夫)にも死亡保障は必要ですか?

A. 家事育児の外部化費用や遺された側の収入減を考えると、小さめの保障を検討する価値があります。共働きなら夫婦それぞれに保障が必要です。

Q. 無料の保険相談は使っても大丈夫ですか?

A. 方針を先に伝える・その場で契約しない・貯蓄型の提案には理由を聞く、の3つを守れば、複数社を一度に比較できる便利な場として使えます。

まとめ

手順をまとめます。①遺族年金・会社の保障・団信・児童手当を先に確認する ②不足分だけを必要保障額とする ③埋める商品は掛け捨て(収入保障保険)を第一候補に ④共働きなら夫婦それぞれで設計 ⑤医療保険は高額療養費制度を知ってから最小限に ⑥無料相談は方針を持って時短ツールとして使う。保険は「入って安心」ではなく「必要な分だけ入って、残りは貯蓄と運用に回す」が正解です。

浮いた保険料の置き場所は学資保険はいらない?NISAとどっち?を、そもそもの収入側の制度は出産でもらえるお金 総まとめをどうぞ。